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留職レポート

相手の文化を尊重することの大切さを体感する

農村部の人たちに金融サービスを届けるインドの団体に留職

株式会社日立製作所 モノづくり戦略本部 設計改革推進部 鈴木 隆裕さん

インド

現地に降り立った瞬間、「やるしかない」とご自身を奮い立たせた鈴木さん。現地の言葉・タミル語での自己紹介や、留職先のイベントに積極的に参加するなど、留職先メンバーとの関わりを大切にしながら留職に取り組んだ鈴木さんのご経験談を是非ご覧ください。

プロジェクト基本情報 - 株式会社日立製作所

■留職者:
鈴木 隆裕さん (当時36歳)
■所属:
株式会社日立製作所 モノづくり戦略本部 設計改革推進部
■留職先:
インド(チェンナイ)
■留職期間(現地):
2014/12-2015/1 2ヶ月
■受け入れ先団体:
農村部の銀行を支えるATMを製造する社会的企業

現地入り、「とにかくやるしかない」

内容

留職の話を紹介されたのは、担当する仕事が変わって一年が過ぎた頃で、新しい仕事にも少し慣れてきて、自分の将来に対して漠然とした不安を感じていた時期でした。海外に、しかも新興国に単身で飛び込んで現地の社会課題の解決に挑む、という留職プログラムは、自分にとって全てが新たなチャレンジであり、不安もありました。しかし、将来への不安を打破するためにこの刺激的なチャンスを逃してはならないと考え、留職への参加を決意しました。
そんな覚悟を胸にインドへと出発しましたが、いざ現地に着いたときに受けた印象は衝撃的でした。行き交う車のクラクションや立ち込める熱気、街の喧騒に圧倒され、「とにかくやるしかない」と自分に言い聞かせながら留職先へと向かったときのことは忘れられません。

本当に現地に定着する方法を模索する日々

内容

工場の生産能力を二倍にするという課題に取り組むにあたり、現地でどう活動していくかを事前に考えていましたが、工場の現状把握に着手して早々、考えていたやり方に迷いが生じました。このままでは自分の考えを押し付けるだけの提案となり、留職先に定着しないと感じたからです。二ヶ月しかない状況で焦りもありましたが、留職先の今後の事業規模拡大に向けた計画を考慮し、私が現地を離れた後も継続して取り組めるように、提案内容を再検討しました。再検討に時間を要したために当初想定していた日程から遅れが生じ、提案した効果は部分的にしか留職期間中に検証出来ませんでした。それでも、留職先のメンバーが自分の提案した内容をアレンジしながら改善を進めているという話を帰国後に聞き、妥協しなくて本当に良かったと思いました。

相手の文化を尊重することの大切さ

内容

「相手の文化を尊重することが重要であると、君の言動から改めて思った。」
最後の打合せで留職先のメンバーが私にかけてくれた言葉です。タミル語(現地語)での自己紹介や、積極的に留職先のイベントに参加するなど、留職先メンバーとの関わりを大切にしてきました。また、街の散策やホテルの方々との交流など、現地の雰囲気を肌で感じることも心掛けました。そうした姿勢を認められたことが自信になったと共に、信頼関係を築く上で大切なことは万国共通であると実感できた、深く印象に残っている言葉です。

普段とは異なる環境で、様々な制約がある中で解決策を模索すること。意図がうまく伝わらないときに、コミュニケーションの方法を工夫すること。留職は、海外のみならず、日本国内での仕事のやり方についても考えさせられる経験でした。グローバル化が急速に進み、世界を相手に仕事をする機会が増加していく中で、今回の留職の経験を糧に、何事にも挑戦する姿勢を継続して意識していきたいと思います。

親身にサポートいただいた留職先のメンバーやクロスフィールズの皆様、社内の関係者の方々には本当に感謝しています。

担当者の声

事務局の方からお一言

鈴木さんには、今までの会社生活では体験しにくい非日常のタフな
体感してもらうことで、これから先の更なる飛躍のベースにして
もらいたいという、幹部や上司の強い思いからエントリしました。

一般的には、職位があがるにつれて「自分でやる」「やれる」ことは
もちろんですが、「人に動いてもらう」「動かす」ことがより重要
になってくると思います。

また、ヒト・モノ・カネ・時間といったリソースが足りない、
物事が計画通りに進まない、大きなアクシデントが発生する、
こういったことは当たり前。より不透明で抽象的な課題にトライし、
解決を具体化していく力が求められます。

今回の研修には、そういった要素が知らず知らずのうちにトレー
ニングできるよう、巧妙に仕組んで頂いていたものと思います。

鈴木さん自身には、現地で経験した業務だけでなく、その背景には、
所属部門の幹部や上司・同僚、インドで受け入れて頂いた企業の皆様、
今回の研修を誠心誠意コーディネート頂いたクロスフィールズの
皆様など、色々な方の思いがあって実現できたということも
よく認識頂いています。

これを糧に必ずや近未来のリーダーとして力を発揮してくれるものと
信じています。

(株)日立製作所
モノづくり戦略本部
業務管理部
宮口 雅夫

担当プロジェクトマネージャーから一言

現地活動開始直後、すべてが異質な環境で、顔には出さないものの困惑している様子の鈴木さんでした。留職先との業務も待ったなしでスタートし「伝えたいけれどどうやったらいいかわからない」とコミュニケーションにも苦労されたようです。しかし、同じ部屋で一緒にランチを取ったり、メンバーと近くの席に座ったりと行動で示すことで距離を縮め「こちらのやり方や工場のメンバーと馴染もうとしている姿勢が好印象だった」と留職先から言われるほどになっていました。
鈴木さんの仕事に「団体の抱える制約や他部署への影響も考慮してくれた」「成果にもとても満足している」と留職先からの評価も高く、その後、提案した改善プランは実行され、後日訪問した際には工場内のレイアウトが変わっていました。さらに、目標としていた生産台数向上も達成されたとのことです。遠く離れたインドでも生かされた技術と経験を更にブラッシュアップし、今後も更なる飛躍を期待しています。

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