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留職レポート

自分の枠を超え、相手の期待を超える

エンドユーザとFace to Faceでコミュニケーションすることの大切さ

株式会社日立製作所 エンジニア 白神雄介さん

インドネシア 経済支援

大きなシステムの基幹部分で動くソフトウェアの開発に携わっていた白神さんは、インドネシアで貧困問題解決に取り組むNGOで、エンドユーザが直接使うシステム開発に取り組みました。最初から自分にできることだけを考えるのではなく、相手にとってどうすることがベストなのかを考えることを学んだという白神さんですが、どのようにそのチャレンジを乗り越えたのでしょうか?ご自身で執筆して頂きました。

プロジェクト基本情報 - 株式会社日立製作所

■留職者:
白神雄介さん (当時31歳)
■所属:
株式会社日立製作所 エンジニア
■留職先:
インドネシア(ジャカルタ)
■留職期間(現地):
2013.11-2014.1(3ヵ月間)
■受け入れ先団体:
農村部貧困者層に対する伝統工芸品の製作支援、輸出・販売行うNGO

あの時のカルチャーショックをもう一度

この留職の話を頂いたときは、非常に自分にとってチャレンジングなものだなと思いました。ただ、新興国への派遣ということで、学生の頃、新興国と呼ばれる国を何カ国か旅行しましたが、今度は一社会人として仕事をしに行くという異なる状況下で、当時受けた数々のカルチャーショックが、また違う感じ方や気づきとして受け取れるのではないかというところに興味を持ちました。さらに、非常に難しいプログラムになることは想像できましたが、そういうことをやり切る力を身につけたいという思いでこの留職プログラムに参加しました。

最初に直面した壁

内容

最初に直面した壁が、実際現地に行って派遣先団体のニーズをヒアリングしてみると、自分が想像していたよりも難しい開発になることが判明したことでした。簡単な手法でやろうと思えばやれなくもない。ただそれでは使いにくいシステムになってしまう。本格的な技術(自分の知識範囲外)を導入して、しっかり作り込むか。そうした時に自分のスキルが追いつかなくて、期間内に完成できないのではないか。そういう葛藤がありましたが、やっぱり相手のニーズ・期待に応えるためには、後者をやりきらないと意味がないし、この留職プログラムの意義も薄れてしまうと思い、後者を選択することにしました。結果的にはこの選択は正解で、最終的に相手に喜んでもらえるものを作れたと思っています。

エンドユーザとFace to Faceで開発

内容

また留職中の日々の業務では言葉の壁はもちろん、自分と相手のバックグランドの違いもあり、非常にコミュニケーションの面で苦労することもありました。さらに、普段私は、エンドユーザが直接操作するようなシステムではなく、大きなシステムの基幹部分で動くソフトウェアの開発に携わっていますが、今回の留職プログラムでは、エンドユーザが直接使うシステムを一から開発するということで、エンドユーザとFace to Faceで仕様を検討しながら進めるというところもチャレンジングでした。特に派遣先団体にはIT技術者と呼べる方がいないため、仕様検討におけるミーティングにおいては、なかなか話が噛み合わないこともあったりして、実際作ってみたら、ユーザの欲しているものではなかったということもしばしばありました。
そこで、相手の本当のニーズを満たすためにも、開発工程をスムーズに進めるためにも、ユーザとの意思疎通が一番重要なことだと思い、ミーティング以外での会話量を増やす、また言葉で伝えきれない部分は、プロトタイプ作成などで実際に視覚的に情報を与えてお互いの理解を一致させるなどの工夫を行いながら業務を進めました。

相手のベストを最優先

このように、非常に困難な経験ではありましたが、その中で学んだ事は、最初から自分にできることだけを考えるのではなく、相手にとってどうすることがベストなのかを考え、それを達成するために工夫していくことが重要なことを学びました。また、今回のような言葉の壁があるようなパートナーと仕事する際には、日ごろから相手の課題に真摯に向き合って信頼関係を気づくことも重要だと思いました。

担当者の声

㈱日立製作所 情報・通信システム社  ITプラットフォーム事業本部 ITプラットフォーム総務部 人事教育グループ 清水佑亮さん
内容

白神さんは、将来的に海外拠点のリーダーとなることを期待され、この留職に臨みました。派遣団体での新システムの開発・導入は、自分の知識だけでなく、団体のニーズ把握が必要不可欠であることに気付いた彼は、敢えて厳しい道を選択し、周りを巻き込みながらこの大きな壁に立ち向かってくれたと感じます。
今回の留職の中で、プロジェクトの取り纏めとして、開発リーダーの体験が出来たことは大きなプラスになったと思います。一人称で行動し、グローバルビジネス市場を切り開いていく人財となることを期待しています。

クロスフィールズ プロジェクトマネージャー 嶋原佳奈子
内容

留職最終日にビデオ越しに見た、達成感と安堵感に満ち満ちた白神さんの笑顔が印象的でした。未経験のシステム開発を唯一のIT専門家として、設計・構築からユーザーとの摺合せまでやりきり、留職先の満足度の高い貢献を残してきました。ただ、当初は初めてのことだらけで不安の方が大きいと様子でした。しかし、「覚悟を決めたことで不安のある業務内容もやりきることができた。不安があっても、まず一歩踏み出せば道は拓ける。」と挑戦することの大切さを留職後は語っていました。帰国後「顔つきが変わった」と周りから言われるほど一皮むけて帰ってきた白神さん、今後の益々の活躍を期待しています。

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