NPO法人クロスフィールズでは、先日11/8(火)に、「新興国での実践業務によるグローバルリーダー育成とは」と題した企業様向けフォーラムを開催致しました。
第一部では、先進的に新興国でのグローバルリーダー育成に企業で取り組んでおられる日本アイ・ビー・エム株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社(GSK)の方に、プログラムのご紹介を頂きながら、 第二部では、IBM、GSKの、実際にプログラムに参加された方に加えて、今年の夏にクロスフィールズのプログラムにご参加頂いた、ベイン・アンド・カンパニーの方にもご登壇頂き、実際に行ってみてどうだったのかという生の声をお伝えするパネルディスカッションを行いました。
▼当日のプログラム(詳細な開催概要はこちら)※各タイトルをクリックすると、該当の記事に飛びます。
まずは、日本アイ・ビー・エム株式会社の方に、07年より取り組まれている「Corporate Service Corps」という、
社員の方を新興国で社会課題に取り組むNPOや教育機関、行政機関などに派遣するプログラムのご紹介を頂きました。
日本アイ・ビー・エム株式会社 CSR・環境・社会貢献 川嶋輝彦氏
IBMでは、2007年より、社会貢献を果たすと同時に人材育成にもなるプログラムを導入しております。 そのプログラムとは、「コーポレート・サービス・コー(以下CSC)」。 直訳すると、「企業サービス部隊」という意味です。今年の6月末までに約1200人の社員が23カ国に派遣され、日本からは47名の社員が14カ国に赴任しています。
このプログラムは、基本的に、異なる国籍、年齢、職種のIBM社員約10人がチームを編成し、
新興国で社会課題に取り組むNPOや教育機関、行政機関などに派遣されます。そして異文化混合のチームメンバーや現地のNPOの専門家たちと協業しながら、
その国の経済、環境、教育分野の基盤構築支援に取り組みます。
現地への赴任に先立ち、チームメンバーは3カ月間、派遣国の文化や習慣、言語、参画するプロジェクトの目標、現地の社会経済及び政治情勢についてプレワークします。
そして、任期終了後は職場へのフィードバックが求められます。
つまり参加者は、プログラムでの経験をどのように自分のビジネスに還元していくかまで考える必要があるのです。
CSCが生まれた背景には、最近のグローバリゼーションの加速によってIBMが直面した3つの課題(チャレンジ)があります。
1つ目は、グローバルリーダーの育成。IBMは世界170カ国以上で操業しているマルチナショナルカンパニーです。
異文化が混合した多様性のある環境で仲間と協業し、リーダーシップを発揮できるリーダーの育成は、我々の急務ともいえるでしょう。
2つ目は、当社の成長市場への足がかり。これからは、日本や欧米のような成熟市場ではなく、新興成長市場で積極的にビジネスを展開することが予想されます。 そんな中、このプログラムを通じて、パイロット的に新興国でフットプリントを作っていくことが期待できます。
最後は、ビジネスの機会を獲得するため、インパクトの大きな現地のプロジェクトにIBMの技術や専門性を無償提供するということ。 まだまだビジネスの機会が少ない国で、当社がコンピュータシステムや社会全体のシステムをソフトウェアとして販売するためには、 まずはインパクトの大きなプロジェクトに対して当社の専門性やスキルを無償提供することが必要となります。 CSCを通じて社員が有するスキルやノウハウを提供することで、そのような社会貢献、そして今後のビジネスの展開が可能となるのです。
先ほど申し上げましたように、IBMは170カ国という多種多様な国々でビジネスを展開しています。
そんな当社にとってのCSCのインパクトは、大きく分けて4つあると思います。まずは、21世紀の新しいビジネスにおける学びとイノベーションの研究所、ラボとしての機能。
2つ目は、高い業績を有する社員の継続的確保、つまり人材のりテンションです。3番目は、新興市場におけるIBMのブランドと評判を確立すること。
そして最後は、さまざまな国の多様なステークホルダーと信頼関係を作っていけるということです。
CSCを終了した社員を見ていると、このようなプログラムは、ソーシャルイノベーションやリーダーシップ育成において非常に効果的であると感じます。
したがって、このような場でCSCの経験を共有することで、同じように社会貢献を目指すプログラムを支援していくことも、CSCの一環であると考えます。
日本IBMは今後も、このような社会貢献のあり方の事例を示していきたいと思っております。
次に、同様の取り組みを行っている、グラクソ・スミスクライン株式会社の方からも、自社の海外ボランティア派遣のお取り組みのご紹介を頂きました。
グラクソ・スミスクライン株式会社 人財本部 人事企画部 橋本真友子氏
グラクソ・スミスクラインでは、2009年から長期にわたる海外ボランティア派遣を始めています。
プログラムの名称は「PULSE」。日本語にしますと、「脈」とか「振動」という意味です。
社会の価値観が変容するなか、パフォーマンスの高い社員を海外に派遣して、変革や肯定的なチェンジができるような人材を育成しよう、
変化の振動を全社に起こそうという意味から名付けられました。これまで200名の社員が、39カ国、58のNGOパートナーのもとで3~6カ月働いています。
PULSEプログラムには、3つのミッションがあります。
まずは信頼関係構築。これは、広い意味でのステークホルダーとの信頼関係です。
私たち製薬会社は少し特殊な業界で、エンドユーザー(患者様)に直接プロモーションをかけてはいけないという決まりがあります。
そのかわり、処方権のある医師とのコンタクトが多くなるため、私たちの主な顧客は医療関係者となります。
このような理由から、いわゆるコミュニティとは少し距離を取るような形で、私たちは日々の業務を行っています。
当社の製品が届く方たちの身になって製品を開発したり売ったりするという意識付けのためにも、この信頼関係構築のミッションは欠かせません。
次のミッションは、エンパワーメント。社員が未開拓の場所に派遣され、しかもまだまだ発展途上のプロジェクトに参加することによって、 リーダーシップが鍛えられたり、自分の思考を養成するということが予想されます。 そんな中で社員は、自分を見つめなおし、モチベーションが上がる、エンパワーメントを経験するでしょう。
最後は、行動理念を実践すること。社員に、柔軟に考え、信頼関係を積み上げるなど行動を起こすことによって「理念」を「文化」として醸成していくという経験をしてもらうのです。
アサインメントは、HR、IT、財務、プロジェクトマネジメント、経営戦略など9つのカテゴリにわたり、 それぞれの部署から専門知識をもった社員を派遣するという形になっています。 PULSEは3~6カ月にわたる後任なしでのプログラム派遣となりますが、単発で行って終わりではなく、持続的な変化につながるような業務を心がけています。 サスティナブルというのは環境の分野ではよく言われる言葉ですが、PULSEでも持続的な変化をもたらしていると自負しています。
NGOに対しては特に、ヘルスケアのシステム、ビジネスプロセスの改善、能力開発、そしてマーケティングの向上というような形で変革を起こしています。 社員が派遣されることで、それまでのNGOのスタッフの知識・業務量で足りないところを補うことができますので、 より多くの方々にサポートが行き届いていると考えられます。 派遣先のNGOの方からも、「今までやりたくてもできなかったことや、自分たちだけでやっていたら長い時間かかっていたものが、 知恵を出し合うこと、協力することで、非常に効率的にできた」というコメントを多くいただいています。
ボランティア自身は、権限・意欲を与えられて、より明快な目的意識をもってまた私たちの職場に戻ってくるという事例が多く聞かれます。
やはり快適なオフィスや住み慣れた場所から離れることによって、ボランティア自身も刺激をもらい、それによってリスクを背負うこともあるものの、
それ以上にチャレンジ精神をかき立てられるようなケースが多いのだなという印象を受けました。
上司からは、「非常にいきいきとして帰ってくる。今までとはまるで違う」という報告が多くあります。
最後に、当社のCEOで、PULSEの考案者あるアンドリュー・ウィティーの言葉で締めくくらせていただきます。
「社会に何か還元したいと思う社員がPULSEに参加すれば、これまでにもたらされたことのないような素晴らしい価値が、会社全体にも、
また個人の目標にもフィットした形で生まれてくるだろう」
更に、このような取り組みを日本でも拡げる活動をしている、クロスフィールズより、 実践業務によるグローバル人材育成プログラムである留職プログラムのご紹介をさせて頂きました。
NPO法人クロスフィールズ 副代表 松島由佳
クロスフィールズは、「今後、グローバル、特に新興国で活躍する人材を育てたい」と考える企業様に対して、留職プログラムをご提供する事業を展開しています。
「留職」とは、今後市場となっていく新興国のNGO/学校/医療機関/行政機関といった社会セクターに、日本企業の社員を派遣し、
本業のスキルを活かす形で現地の社会課題解決にあたっていただくというプログラムです。
期間は1~12カ月。クロスフィールズでは、派遣期間内に結果を出してもらうために、
留職者のスキルを活かせる最適な留職先団体の発掘と、期間中の業務のゴールの設定や業務計画の立案のお手伝いといったサービスを提供しています。
更には、派遣期間中の学びを最大化するためのコーチングや、新興国での生活やリスク管理のサポートなどをさせていただきます。
同様のプログラムは欧米でもここ数年で非常に広がっており、06年には参加企業6社、参加者数300人ほどだったのが、今年度では20社、1900人まで急増しています。
アメリカの参加企業の方にインタビューをしたところ、「07年くらいからアメリカ国内の市場が伸び悩み、今後市場となっていく新興国に注目が集まっていきました。
そのため、新興国の現場で、多様な価値観の人たちと一緒に仕事を進められる人材が必要となり、このような新興国のNGOに人材を派遣するプログラムが広まった」
ということを伺い、日本企業の方々にも全く同じようなニーズがあるのではないかと考えています。
留職プログラムの効果は、大きくは3つあります。
1つには、日本以外の国でも活躍できるリーダーとなる人材の育成効果。新興国の現場に入り、現地の人との信頼関係を作り、巻き込んで、
一緒に事業を作っていくことで、参加者の人間的成長が期待できます。
2つ目は、新興国市場開拓のためのニーズの把握の機会となることです。NGOという、現地の生活者に近い現場で仕事ができるので、
どのようなもののニーズがあるのか、などの具体的な理解のきっかけとすることが出来ます。
また、NGOは行政や地域企業とのネットワークが強いところも多いため、今後ビジネスを展開する上でのネットワークの構築も視野に入れることができます。
3点目は、働く場としての企業価値向上です。向上心のある若手社員の中には、このようなプログラムを持つ企業に魅力を感じることが多いため、
優秀な人材の確保や継続雇用に効果があるとも考えています。
留職プログラムが広がることで、このような変化を起こすことが出来ればと思い、クロスフィールズは活動しています。 まずは、参加者の方が変化すること。新興国の社会セクターでの実践業務は、その人の「原体験」となり、 グローバルな環境で社会課題を解決できるスキル・情熱を持つ人材が育っていくと考えます。 2つめは企業が変化していくこと。留職経験者が組織に戻ってからも国内外で活躍し、Social Intrapreneur(組織内社会起業家)として 組織の中から社会課題を解決するイノベーティブな商品・サービスを生み出している状況が生まれるでしょう。 最後は、その先の社会の変化を生み出したいと考えています。 「課題先進国」と言われる日本から、その解決方法を生み出すのは、ひとり一人の個人やひとつ一つの企業の意思だと思っています。 その意志ある企業やNPOや行政が、それまでの枠を超えて協力し合い、いろいろな社会課題を解決する方法が次々生まれる。 クロスフィールズでは留職を通じ、そのような「課題解決の先進国」日本の実現を目指していきたいと思っております。
※留職プログラムについての詳細は、こちらをご覧ください
さらに会場からは、
「中堅社員のグローバル人材化はどのように考えているか?」
「IBMのような多人数をチームで短期間派遣する方法と、グラクソスミスクラインのような1人を長期間派遣する方法と、それぞれのメリット・デメリットはなにか?」
といったプログラムを導入することを検討されている企業の方からの質問や、
「現地に社員を派遣する際、現地におけるサステナビリティ、つまり現地へのインパクトを提供していく仕組みについて、どのように考えているか?」
などといった質問などがあがり、活発な意見交換も行われました。
後半では、IBM、GSKの実際にプログラムに参加された方に加えて、
今年の夏にクロスフィールズのプログラムにご参加頂いたベイン・アンド・カンパニーの方にもご登壇頂き、
実際に行ってみてどうだったのかという生の声をお伝えするパネルディスカッションを行いました。
▼パネリスト
ベイン・アンド・カンパニー 石川彩子氏(派遣国:カンボジア)
グラクソ・スミスクライン株式会社 橋本真友子氏(派遣国:ケニア)
日本アイ・ビー・エム株式会社 小林健輔氏(派遣国:インド)、森田圭子氏(派遣国:南アフリカ)
▼進行役
NPO法人クロスフィールズ 代表理事 小沼大地
(小沼) まずは、参加者の皆さんの所属と通常業務、それからどこへ派遣されたのかを教えてください。
(石川) ベイン・アンド・カンパニーの石川です。戦略コンサルティング会社で、いろいろな企業の経営戦略を考えるという仕事をしています。 クロスフィールズさんの留職プログラムを通じて、カンボジアのシェリムアップという町にある「かものはしプロジェクト」という団体で活動しました。 「かものはしプロジェクト」は、カンボジアの農村の貧困層に対して就業機会の創出や職業訓練をすることで、子どもの性的搾取をなくすという取り組みをしている団体です。 カンボジアの方々を雇い向上を経営しており、私はその工場の経営戦略に関するアドバイスをさせていただきました。
(橋本) グラクソ・スミスクラインの橋本です。今は人事企画部ですが、派遣前はメディカルインフォメーション部という、製品に関わる問合せを受けて、 医学薬学的な観点から案件検索をして回答を作るという部署にいました。 私が派遣されたのは、ケニアのビクトリア湖の湖畔にあるキスム市という都市です。 市内に4カ所ある、お産を扱っている公的な医療機関を巡回し、妊娠・出産の際のきちんとした器具や薬、サービスがあるかをチェックし、データをまとめるという活動をしていました。
(小林) 日本IBMの小林と申します。普段は金融関係のお客様のITの設定や、それに対するご提案をしています。 派遣されたのは、インドのアーメダバード。女性の自立を支援するNPOから、ITの基盤の設計と会員情報を管理する データベースを作りたいという要請があったため、1カ月間でその設計をさせていただきました。
(森田) 日本IBMの森田です。私も小林さんと同様にSEで、ITシステムを設計・構築しています。 CSCを通じて、南アフリカのリンポポ州で1カ月間活動しておりました。直接のお客様はUNDP(国連開発計画)で、 UNDPがサポートするリンポポ州のヘルスケア・セクターに対して、ヘルスケアのビジネス・アナリティクスのシステム (どんな病気がどこにどれくらいいるかなどのヘルスケア情報を基に的確な人材配置や効果的なビジネス判断を支援する ためのシステム)を提案するのが私の仕事でした。
(小沼) 石川さんは留職プログラムを通じてカンボジアに派遣されたのですが、活動の様子を報告していただいたとき、 ずいぶん現地の方と打ち解けているなと感心したことを覚えています。どのように、現地の方と仲良くなったのでしょうか?
(石川) 現地の方と協働するためには、彼らとの関係性が欠かせません。私は、現地の人と打ち解けるために重要なことは2つあると思います。
1つは、仕事相手としての信頼を勝ち取ること。
もう1つは、人として打ち解けて好きになってもらうことです。
1つ目の信頼という部分においては、自分の得意分野である経営コンサルティングの能力にフォーカスしてカンボジアに行き、活動できたことが大きかったと思います。
2つ目の「人として好きになってもらう」という部分では、仕事で固い話ばかりしているイメージを払拭しようと思い、職員の皆さんと一緒に遠足に行きました。
一緒に市場でおやつの買い出しをして、ご飯を食べて、遺跡を見て、恋愛トークで盛り上がったことで、
「あいつ、悪い奴じゃないんだな」と思ってもらえたみたいです。
(小沼) 打ち解けただけでなく、現地NGOからの評価も高かったのですが、どのような点に重点を置いて仕事をしましたか?
(石川) 留職において大切なのは、自分の得意分野にフォーカスすることと、決められた業務期間内に何をゴールにして仕事をするのかいったスコープをしっかりと決めて活動することです。
そうすることにより、短い期間のなかで、現地の方と信頼関係を築き、責任持って成果を残し、さらには自分のなかにグローバルなリーダーシップを養うことが可能になるのだと思います。
(小沼) 橋本さんは6カ月と長期にわたって滞在したわけですが、現地の方との関係づくりで工夫したことはありますか?
(橋本) 現地の方との関係づくりは私も意識していました。現地の料理を覚えたり、言葉を覚えたりしました。 調査対象としてだけ見るのではなく、職員の業務で手伝える場面を見つけて、一緒に受付業務をしたり、 アウトリーチ・クリニック(医療機関から周辺のコミュニティに出向き、基本的な診療を行うこと)に行ってみたりしました。 しかし、6か月もいると修羅場的なものも体験します。任期のちょうど半ばくらいには「帰ってやる!」と思うような出来事もありました。 だけど、やるべきことが残っていたので、「一刻も早く調査を終わらせてやる」と思って病院に戻ったところ、 今度は彼らとのやり取りが非常に面白くなってきたんです。また、エマという親友が、現地の人と話をするきっかけをいろいろ教えてくれていました。 そんな支えもあって、精神的にチャレンジングなことを乗り越えることができたと思います。、
(小沼) そのような修羅場を経験して、どのようなことに気付いたり、学んだりしたのでしょうか?
(橋本) ケニアで学んだこと、それは、「何事も決まり切ったことはないんだ」ということでした。
国籍や属性、職域などを取り払って、腹を割って人と話したり困難にぶつかってみると、自分がそれまで「限界だ」と思っていたものを取り払うことができるのです。
一度その経験をすると、自分のなかの閉塞感というものがなくなります。そして「これから私たちが新しいものを作っていく用意があるのだ」ということを、純粋に信じられるようになるのです。
(小沼) 小林さんは、どのようにして応募を決めたのですか?
(小林) 私がCSCについて知ったのは、このプログラムが発表された2008年です。もともと海外で働きたいという願望があったことに加え、 入社して10年以上で培ったスキルを社会に役立てたいという思いもあり、応募を決めました。
(小沼) インドでの業務は初めてということなので、大変なこともあったと思うのですが、特に苦労されたのはどの辺でしょうか? また、それを克服するためにしたことはありますか?
(小林) NPOの会員は、農村部の女性がほとんどです。 多くの方が英語を話せないなか、ヒアリングをしなければなりません。最初は女性たちから、「いったい何者だ?」 という抵抗感を感じたりしたのですが、現地語を覚え、会話は無理でも挨拶だけは現地語でするなど心がけていると、 次第に笑顔が増えていきました。また、一緒に食事を食べるとお互いの信頼関係が築けて、 その後のインタビューがやりやすくなったりもしました。 いちばんん苦労したのは、時間のマネジメントですね。1カ月の間、現地の方と何度もミーティングを行ったのですが、 日時をメールしただけでは来ないことが多く、必ず電話で念押ししました。 それから、1カ月の間でアウトプットを取らないといけないため、体調不良になるとスケジュールがきつくなります。 体調管理にはかなり気を使いました。
(小沼) 1か月間で結果を出すのは大変なことだと思います。森田さんは、その点、どのような工夫をされましたか?
(森田) 確かに派遣期間は1カ月と短いですが、CSCでは派遣前に3ヶ月の事前研修を行い、
通常の業務と並行して現地に赴くまでの準備を進めます。
また、1ヶ月という短期間で成果をあげる上で、派遣国での業務範囲である「スコープ・オブ・ワーク(SOW)」へのフォーカスに力を入れています。
赴任前にSOWが送付されるので、それを元にお客様と電話会議をして、内容を確認します。
さらに、1カ月のアサインメントのうち最初の1週間はSOWの確定に充てるようガイドされました。
2~3週間目でソリューションを提供するような活動をし、最終週には成果をプレゼンして、成果物を納めることとなります。
カギとなるのは最初の1週間。この期間に、我々がお客様にできることをチームで話し合いお客様と合意し、
その後の活動はその内容に注力することによって、成果をあげることができたのだと思います。
(小沼) いちばん大変だったのは、どんなところでしょうか?
(森田) 私がいちばん苦労したのは、英語でした。仕事でお会いする方々は皆、ビジネスにおいて日常的に英語を使っており、
母国語のなまりや会話のスピードの速さに最初は全く付いていけず、ディスカッションにもほとんど参加できませんでした。
そのため、自分が全く貢献できていない気がして、かなり落ち込みました。
それでも、理解が難しいときは図を描いてもらったり、ミーティング後に質問したりして
みんなに追い付けるように努めているうちに、ソリューションの内容やプレゼン資料づくりなど自分が貢献できることを見つけ出すことができました。
そうして自分ができることを見つけてからは語学力の壁にとらわれず、自信をもってチームの一員として活動を進めることができるようになりました。
パネルディスカッションの後には、参加者の方への会場からの質問も多く頂き、活発な意見交換が行われました。 その後、懇親会も実施し、各社の人事部・CSR部の方同志の交流の場として、更に盛り上がる時間となりました。
クロスフィールズでは、今回のようなフォーラムを継続的に開催していく予定です。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
・留職プログラムの導入にご関心をお持ちの企業のご担当者様
・留職プログラムの受け入れにご関心をお持ちのNGO/NPO、開発機関等のご担当者様
詳細なご説明をさせて頂きますので、こちらのフォームにてご連絡下さい。